数字で考えるUXDのROI

UI/UXデザイナーのみなさまこんにちは。みなさまは、自分の活動が実際どのような効果をもたらしているか気になったことはありませんか？クライアントに説明する場合や上司に今期の成果を伝える場合、みなさんも苦労されていると思います。そこで、今回はUXDのROIを数値でどう出すか・どう出せるかをまとめてみます。

ROIとは？

ROI（Return On Investment）とは、投資対効果の意味です。投資したコストに対してどれだけ利益を得ることが出来たのかを測る指標で、一般的にROIが高ければ高いほど、その投資の効果が高いとされます。

UXDの工数やツール費用に対してどれだけ効果が出たかみえるようになります。

以下は、基本的な計算式です。

ROI ＝ { ( 売上 − 売上原価 ) − 投資コスト } ÷ 投資コスト × 100 (%)

UXDROI

ウェインズチェンクは、ユーザビリティ：ビジネスケースでコスト削減の計算をするための３つの方程式を述べています。

エラー回避

(エラーの数) × (修正時間の平均) × (雇用者のコスト) × (雇用者の数) = 節約したコスト 例: (エラー2個/週) × (1時間) × (¥3,000/時間) × (10人雇用) = ¥60,000/週

開発コストと維持費

(変更数) × (平均時間/変更) × (雇用者のコスト) × (4(もし遅延したら)) = 節約したコスト

例: (20変更数) × (8時間) × (¥3,000/時間) = もし早く修正したら ¥480,000、もし遅延したら¥1,920,000

生産性向上

(節約した時間) × (雇用者のコスト) × (雇用者の数) = 節約したコスト

例: (1時間/週) × (¥3,000/時間) × (10人雇用) = ¥30,000/週もしくは ¥1,500,000/年

ROI目標と定義

特定の達成目標を明確にすることで、上記3つの方程式をさまざまなパフォーマンスと満足感の目標で深掘りすることができます。ユーザー中心設計のメリットとUXのROIを探る10のメトリクスを参考にすると意外に項目が多いと気づきますね。効果の要因はUXDだけじゃない場合が多いので、効果を出せるところから少しづつ算出していきましょう！

パフォーマンスの向上

　　・ユーザーエラーの数の減少

　　・使いやすさの向上

　　・学習しやすさの向上

　　・問い合せの減少

露出上昇

　　・トラフィック/視聴者の規模

　　・適切な時に戻ってくる訪問者の数 (ユーザーを固定化する)

　　・新しい訪問者の数 (ユーザーを惹きつける)

　　・検索からの訪問数　　・クリックスルー率（CTR: Click-Through Rate）

　　・サイト滞在時間/エンゲージメント

　　・リピーター数/リピーター

信頼性の向上

　　・ユーザーの満足感向上　　・システムへの信頼　　・紹介による訪問数

　　・ユーザー登録数向上

　　・NPS（ネットプロモータスコア）

資金負担削減

　　・開発コスト削減　　・開発時間削減　　・メンテナンスコスト削減　　・再設計のコスト削減　　・サポートコストを削減　　・必要とされる訓練削減　　・資料作成コスト削減

売上高向上

　　・購買率向上　　・総購買数/取引数向上　　・平均注文額（AOV: Average Order Value）　　・製品の売上高向上　　・カート放棄率の減少

UXDROIの10つの統計

10 stats that demonstrate the ROI of UX や What’s the ROI of UX? によると、UXDROIは明らかではなく、測定するのが難しく、UXDに慣れていない人たちと分かち合うために、いくつかの事実と数字を用意する必要があるとのこと。以下はそのUX統計のリストです。